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[スタイリスト 池田 敬]男性スタイリストが考える
女性ファッションの「似合う」とは?

2017/9/1

スタイリストの池田敬さんは現在、女性ファッションのプロとして雑誌の「VERY」をはじめ、さまざまな媒体で活躍しています。自身はコンサバな着こなしを好む一方で、どのようにして女性に“似合う”を提案しているのか。そのルーツと、現在進行形のファッション観についてお話をうかがいました。

服好きの一家に生まれおしゃれを楽しんだ幼少時代から
スタイリストアシスタントへ

――まず池田さんがスタイリストになられた経緯を教えてください。

池田 敬(以下、池田):僕は兄と姉がいて末っ子なんですけど、昔から年上2人の着ている服を見てたりマネをしたり、服が好きだった母親の影響で買い物へ連れていってもらうのが好きなマセた子どもでした。子ども時代、神戸に住んでいたのですが、うちは年に2回、春夏と秋冬の新作が出る時期に、居留地にあるラルフローレンへ行って姉が買い物をするんですけど、小学生だった僕も一緒に行くとソックスやポロシャツを買ってもらえて。それがたまらなく嬉しかったのを覚えています。とにかく子どものときからファッションが好きでしたね。
その後、スポーツ選手への道を目指した時期もありましたが、紆余曲折を経て「好きなことでご飯を食べたい!」という気持ちが芽生えたのが20代前半のとき。兄の知り合いであるスタイリストさんに弟子入りするために、お金を貯めて上京することにしました。縁があって、その後師匠になる安西こずえ氏と知り合いました。当時、師匠はメンズのドレスコーデをスタイリングしながら、レディスの仕事も多くなってきたときでとにかく忙しかった。そんなタイミングに入った僕は、運がいいことにメンズとレディスのどちらも勉強することができたんです。

女性ファッション誌で活躍する今、
男性スタイリストとして女性へ提案する着こなしとは?

――師匠のもとからはどのくらいで独立されたんですか?

池田:ちょうど2年で独立しました。師匠は自分のところに長い間、アシスタントを置いておくよりも早く卒業させて、責任を持って現場経験をさせてくれるタイプだったので、まわりに比べても早く独立したほうだと思います。
スタイリストって、国家資格がいるわけでもないし、経験がなくても「スタイリストです」って名乗ったら誰でもなれちゃうんですけど、独立してからが本番なんですよね。責任ものしかかってくるし、真価が問われる。そこからやっと責任感と忍耐力、世間や社会の厳しさを知りましたね(笑)。

――そこから現在に至るということで、今は女性ファッションを多く手掛けていらっしゃいますね。

池田:そうですね、雑誌でいうと「VERY(光文社)」などを中心にお仕事させてもらっています。

――「VERY」のようなファッション誌で、スタイリング提案するときに、気をつけていることや意識していることはあるのでしょうか?

池田:「VERY」の目指すターゲットは30代から40代、既婚者だったり、仕事を持つ女性だったり、お子さんがいる女性が中心となっています。でも僕は、どんな環境でも基本的に“好きなもの・気になったものを着て欲しい”と思っているので、さまざまな制約がある中でも積極的におしゃれを楽しんでもらえるような提案を心がけています。
例えば子育てをしている女性だった場合、服装には動きやすさや、汚れても自宅洗いできる扱いやすさを求めると思うんですけど、それをかなえたうえでおしゃれを楽しんで欲しい。極端な話、ママだってハイヒールを履いておしゃれをすべきだと思います。
僕自身も「VERY」でお仕事をさせていただくようになって、7、8年経つうちに2人の子どもを持ちました。そのときに、奥さんのファッションに対する変化や、どんなことで女性が困るか、どんな服なら妊娠中、産後に着られるかなどを身近に感じることができたのはとても運が良かったと思います。そのうえで、女性である以上は、ママであっても年齢を重ねていても、女性としておしゃれを楽しんでほしいと思うんです。

「似合う」着こなしに必要なのは見極め力とサジ加減

――ではそんな池田さんが考える「似合う」着こなしとは、どのようにして習得でき、培われて行くと思いますか?

池田:そうですね、着たいと思った服は試行錯誤しながらでもいいので挑戦してみて欲しいと思います。例えば今シーズンは、秋冬でもビビッドトーンが流行っていますが、それも暖色がいいか寒色がいいかなど、実際に試着してみる。別に買わなくてもいいから、袖を通してみるだけでも、自然に自分に「似合う」ものを見極める力は培われます。
そして次に大事なのがサジ加減。いくら着たいものを着る、新しいものに挑戦する姿勢をお勧めしていても、無理をしていたり若作りに見えたり、TPOにマッチしてなかったりすれば大人の女性の着こなしとは言えません。さりげなくトレンドアイテムを混ぜたり、自分らしさを足し引きしたりするサジ加減を覚えることで、さらにまわりから「似合う!」と言われる装いができるようになると思うんです。

【 池田さんの
マストハブアイテム 】

(ロレックスの時計)ヴィンテージの時計店へリースに行った際、状態の良いものに出会い即購入したという腕時計。「ひとまわり小ぶりで見たこともなく上品な感じにやられました」
(エルメスのブレスレット)「いつか買うと決めていた」というエルメスのブレスレット。海外出張の時に立ち寄ったエルメスで試着したところ、時計と重ね付けをしたらかっこよかったので購入したそう。「どちらも毎日着けているアイテム。じいちゃんになってもずっとつけておきたい存在ですね」

PROFILE

池田 敬 | Takashi Ikeda
スタイリスト

スタイリスト安西こずえ氏に師事後、独立。メンズ、レディスを問わずファッション雑誌を中心に活躍中。トラディショナルでコンサバな着こなしの中に、トレンドを効かせたスタイリングに定評あり。コンテンポラリーなミックス力で男女問わず幅広い世代の人々から支持されている。